京都マラソン開催の社会的インパクトに対する市民の認識と大会開催意図との関係

立命館大学スポーツ健康科学部 長積仁
この研究の目的は、京都マラソンに対する社会的影響に対する住民の認知が、そのイベントへの来年の参加意向に及ぼす影響について明らかにすることである。
さらに、住民の認知と来年の京都マラソンへの参加意向の両者の関係を規定するパラメータとして設定したスポーツ受容能力の媒介効果についても検討した。調査対象者は、20歳以上の京都市民男女3,000人である。抽出方法は多段無作為抽出法である。有効回収標本数は658サンプルで、回収率は21.9%であった。
主な結果は以下の通りである。(1)京都マラソン開催が地域にもたらした社会的影響については、「京都マインドの高揚」、「地域の活気」、「環境破壊」の3つの要因が抽出された。(2)スポーツ受容能力においては、「価値の理解」「価値への関与」「無関心」の3つの要因が抽出された。(3) スポーツ受容能力の社会的影響と媒介効果の3つの要因により、次年度の京都マラソンに対する意向が40%以上を占めることが明らかになった。
以上の結果を踏まえ、本研究の論点は、スポーツイベントの開催に伴う都市マーケティング戦略と戦略的スポーツビジネスの進化に焦点を当てた。
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